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ユサコ株式会社 ひらめきの となりに いつも ユサコナレッジ・サーキュレーション
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デザイン

学会ポスターのグラフの配色|強調は1色でいい(全5回・第4回)

棒が6本あれば6色、線が5本あれば5色。作図ソフトの初期設定は、項目ごとに違う色を割り当てます。しかし色の役割は「区別」だけではありません。読み手に「ここを見てください」と伝える合図でもあります。全部に色が付いた図では、その合図が消えます。第4回では、色の3つの役割を整理したうえで、強調1色とグレーを基本にした図の配色を解説します。色の見え方の違いと白黒印刷への備えも扱います。

— 色の役割は3つだけ

シリーズ:グラフ・図表の見せ方(全5回) | 所要 約6分 | ポサコ

原則 1色の役割は3つ——区別する・数値を表す・強調する

図の中の色の役割は、次の3つのどれかです。どれにも当てはまらない色、たとえば「棒ごとに違う色」は、役割がありません。読み手の注意を分散させるだけなので外します。

役割例色の選び方
区別する群・条件・カテゴリを見分ける互いに見分けのつく色を3〜5色まで。それを超えるなら色分けをやめ、名前を直接書く
数値を表すヒートマップ(表の各ますを値の大きさに応じた濃さで塗った図)、地図の濃淡1つの色相(青なら青)の濃淡。基準になる値(0や50%)があるなら、そこを薄くして両側に向けて濃くする
強調する見てほしい棒・点・線強調色を1色、残りはグレー

「区別は3〜5色まで」は、読み手が凡例なしで色を見分けられる範囲として置いた目安です。

原則 2強調は1色、残りはグレー

見てほしい棒が1本なら、その1本だけに色を付け、ほかはグレーにします。強調が1つなら目立ち、複数あると何も目立ちません。迷ったら、強調したいもの以外の色をすべてグレーにします。

避けたい:棒ごとに違う色 ABCDEF どの棒を見ればよいかの合図がない 伝わる:強調は1本、残りはグレー DBEAFC 120 並び順も大きい順に(第2回)。結論の棒が最初に目に入る
同じ6本の棒。右は強調する1本だけに色を付け、大きい順に並べ替えたもの。読み手は迷わず「D」を見ます。

紙面全体の配色とのつながりも確認しておきます。前編の第4回「配色:基本は2色、図の色は別に考える」では、紙面をつくる色を、見出しの帯の色とマーカーの色の2色に絞りました。図の色は、この2色とは別に数えます。図の強調色は、紙面の2色と見分けのつく色を1つ決めます。そして、ポスター内のすべての図で同じ色を使います。図ごとに強調色を変えると、「同じ色は同じ意味」という約束が崩れます。

原則 3区別は3〜5色まで。数値は濃淡で

群やカテゴリを色で区別するなら、互いに見分けのつく色を3〜5色までにします。それを超えたら色分けをやめて、名前を要素のすぐ脇に書くか、図を分けます。

数値の大小を色で表すときは、1つの色相の濃淡(薄い青から濃い青へ)を使います。虹色(赤・黄・緑・青が順に並ぶ配色)は、明るさの変化が一定ではありません。そのため、データにない段差が見えてしまいます。基準になる値(0、平均、50%)の上下を見せたいときだけ、中央を薄くして両側に向けて濃くします。

避けたい:数値を虹色で 黄色のところに、データにない段差が見える 伝わる:1つの色相の濃淡で 薄い=小さい、濃い=大きい。白黒印刷でも順序が残る
数値を色で表すなら、1つの色相の濃淡にします。濃淡は、白黒印刷でも順序が残ります。色の見え方の違いにも左右されにくい配色です。

原則 4色だけに頼らない——白黒で読めるか確かめる

色の見え方は人によって違います。学会会場の数十人に1人は、赤と緑の区別がつきにくい色覚特性を持っています(前編の第4回)。図の配色では、次の3つを守ります。

  • 赤と緑の組み合わせで情報を分けない。2群なら青系とオレンジ系、または1色とグレー
  • 重要な情報を色だけで示さない。色と形(○△□)、色と線の種類(実線・破線)、色と名前の直接表示、のように手がかりを2つ重ねる。小さい点や細い線ほど、色は見分けにくい
  • 作った後に確かめる。白黒で印刷して読み分けられれば、ほぼ誰にでも伝わる。色の見え方を再現するシミュレーターでの確認も有効
!ありがちな失敗
症状:顕微鏡像や地図など、もともと色の多い図の周りで、紙面側も色を使う。

色の多い図の色はそのままで構いません。その代わり、紙面側とほかの図の色を減らして、色の多い図が主役になるようにします。紙面に色を足すほど、本来の主役が埋もれます。

今日からできるチェックポイント

  • 図の中の色は、区別・数値・強調のどれかの役割を持っているか(棒ごとの色分けは外す)
  • 強調は1色、残りはグレーになっているか
  • ポスター内のすべての図で、同じ強調色を使っているか
  • 区別に使う色は3〜5色までか。超えるなら名前を直接書いたか
  • 数値は1つの色相の濃淡で表しているか(虹色を使っていないか)
  • 赤と緑で情報を分けていないか。色以外の手がかりを併用しているか
  • 白黒で印刷して読み分けられるか
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最終回は「誠実なグラフ」です。目盛りが途中から始まる棒グラフ、左右2つの軸、3D、面積での比較、線でつないだ欠測、意味を書いていない誤差線。見た目と数値が合う図にするための6つの点検を解説します。

※本記事の図は、ポサコの作例用に自作したものです。研究データ・氏名・所属はすべて架空です。図の原則は一般的な作図・視覚化の考え方と、Web上で全文が公開されている Claus O. Wilke『Fundamentals of Data Visualization』に基づいています。