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ユサコ株式会社 ひらめきの となりに いつも ユサコナレッジ・サーキュレーション
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デザイン

学会ポスターの印刷と会場の光|A0の大きさで色の見え方が変わる(第5回)

ポスターの色は、パソコンの画面の上で決めます。けれども読み手が見るのは、A0の大きさに印刷され、会場の照明に照らされた紙面です。画面の小さな見本で選んだ色は、面積・印刷・照明の3つによって見え方が変わります。第5回では、それぞれの変わり方と、印刷の前に確かめる方法を解説します。

— 面積効果と、画面・印刷・照明による色の変わり方

ポサコデザインシリーズ③:ポスターの色彩 | 所要 約6分 | ポサコ

原則 1大きな面ほど、明るく、あざやかに見える(面積効果)

同じ色でも、塗る面積が大きくなると、明るさやあざやかさの見え方が変わります。この現象を面積効果と呼びます。国際照明委員会(CIE)の技術報告 CIE 208:2014 では、視野の20度を超える大きな色は、実験室の試験で小さな色よりも明るく、あざやかに見えたと報告されています。

画面の色選び 約1cm の見本では、どれも落ち着いて見える あざやかな青:強く出る 彩度を控えた青:落ち着く
画面の上の小さな見本は、紙面に置くと面積が大きくなります。見出しの帯のように面積の大きい色は、見本で「ちょうどよい」と感じた色より、あざやかさを一段控えて選びます。

面積効果は、面積の大きい色ほど強く効きます。ポスターでは、次のように使い分けます。

  • 面積の大きい色(見出しの帯・メインタイトルの帯・節の色面):あざやかさを控える。淡い色は思ったより白っぽく見えるので、色を感じる程度の淡さにする
  • 面積の小さい色(図の強調・マーカー):あざやかな色を使ってよい。面積が小さいため、強く出すぎない

原則 2画面の色と印刷の色は、出せる範囲が違う

パソコンの画面は、赤・緑・青の光を重ねて色を出します(RGB)。印刷は、シアン・マゼンタ・イエロー・黒のインクを重ねて色を出します(CMYK)。この2つは、出せる色の範囲(色域)が違います。画面でしか出せないあざやかな色は、印刷するとくすみます。

  • あざやかな青緑・緑・青紫は、印刷で特にくすみやすい
  • 画面で「蛍光のように」見える色は、印刷では同じに出ないと考えておく
  • 色を合わせたいときは、試し刷りで確かめる。印刷会社に頼むときは、色の値(CMYK)で伝える(第1回)

布に印刷するポスターでは、紙よりも色が淡く、輪郭がにじんで見えることがあります。細い線と淡い色は、布ではさらに見えにくくなります。

原則 3会場の照明で、色の見え方が変わる

同じポスターでも、照らす光によって色の見え方が変わります。

光見え方の変化
電球色の照明(色温度 約2,800K)全体に赤み・黄みが増す。青や紫はくすんで見える
昼光色の照明(色温度 約6,500K)全体に青みが立つ。赤や橙は落ち着いて見える
薄暗い会場赤は暗く沈み、緑から青は比べて明るく見える(プルキンエ現象)。赤の強調は、明るい会場のときより目立たなくなる

会場の照明は選べません。どの光でも伝わるように、強調は色相だけでなく明るさの差でも付けておきます(第2回)。明るさの差は、照明が変わっても残ります。

原則 4印刷の前に、実物の大きさで確かめる

画面の上で全体を縮小して見ているかぎり、面積効果も印刷の色も分かりません。印刷の前に、次の3つで確かめます。

STEP 1
一部を実物大で印刷する
見出しの帯と図を含む部分を、倍率100%でA4に印刷して並べる(ポサコデザインシリーズ①の第3回の方法)。帯の色の強さが分かる。
STEP 2
離れて見る
3mと1mの距離から見て、強調の色とマーカーが目に入るか確かめる。
STEP 3
白黒でも見る
白黒で印刷して、見出しの帯・マーカー・図の強調が読み分けられるか確かめる(第2回)。
!ありがちな失敗
症状:画面の上で「地味だから」と、見出しの帯の色をあざやかにする。

画面では全体が小さく見えるため、色が控えめに感じられます。A0に印刷すると、帯の面積が大きくなり、色が強く出ます。帯の色をあざやかにするより、図の強調色を1か所はっきり付ける方が、紙面にめりはりが出ます。

今日からできるチェックポイント

  • 見出しの帯など面積の大きい色は、あざやかさを控えてあるか
  • あざやかな色は、図の強調とマーカーの小さな面積に限っているか
  • 画面でしか出せないあざやかな色(蛍光のような色)に頼っていないか
  • 強調は、色相だけでなく明るさの差でも付けてあるか
  • 一部を実物大で印刷し、離れた距離から確かめたか
  • 印刷会社には、色の値で伝えているか
ポサコで実践するには

A0の原寸で書き出して、確かめる

  • PDF 出力 — 原寸の PDF を書き出し、一部を倍率100%で印刷して色の強さを確かめられます。
  • 配色のプリセット — 1色目と2色目の関係が設計済みのプリセットから選べます。
印刷したときの色の出方が心配なとき。 チャットで相談する →AIが応答します
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テンプレートに沿って入れ替えるだけ。学会前でも、形になったポスターから始められます。

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メンバーが作るポスターの質がバラつく、指導に時間がかかる——テンプレートを研究室で共有できます。

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最終回は「色の見え方の多様性」です。色の見え方は、色覚の特性や年齢によって人ごとに違います。誰にでも伝わる配色にするための手がかりの重ね方を解説します。

※本記事の図は、ポサコの作例用に自作したものです。面積効果は CIE (2014). Effect of Stimulus Size on Colour Appearance. CIE 208:2014 の要旨によります。色温度は一般的な照明の目安です。